不当解雇とは?従業員から訴えられた場合の対処法も併せて解説
解雇とは、使用者(会社)が、労働者の行為に法律違反があったという理由や、就業規則違反があったという理由で、一方的に雇用契約を解約することです。
そして、正当な理由や根拠がない解雇を不当解雇と呼んだりします。雇用契約もお互いの合意のもとに契約しているのだから、一方的な解約もできると思われるかもしれません。しかし、労働法はこのようには考えていません。
労働は人間が生計を立てるために必要なものであるため、法は会社が解雇をすることに対し厳しい制約をしています。
具体的には労働契約法16条は、「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当と認められない場合は、その権利を濫用したものとして無効」という条文です。そして、裁判所も、労働契約法16条の判断にあたっては労働者に有利な判断をする傾向があります。例えば、ラジオのアナウンサーが二週連続で寝坊で番組に遅刻して放送事故を起こしたという事例でも、不当解雇にあたり、解雇は無効とした最高裁判決があります(最二小判昭和52.1.31労判268号17頁)。
このように、解雇が有効に認められるのは大変厳しい要件のもとに限られるため、不当解雇で訴えられた場合、会社は基本的には不利な立場にあると考えてください。訴訟を提起されたら、不利な立場から解雇が有効であることを裁判官に理解してもらうために、適切で説得力のある主張立証が必要になります。
今すぐに弁護士にご相談ください。
また、それが訴訟提起前の段階であっても、弁護士に相談してください。なぜならば、裁判所の判決で不当解雇と判断されてしまうと、会社は損害賠償としてバックペイという解雇から判決日までの給料相当額と慰謝料を全額支払うことになり、支払う額が膨大になります。
裁判に至る前に、交渉で和解することができれば、最終的な支払額を抑えることができます。
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