債権回収において内容証明を無視された場合の適切な対処法とは
債権回収を行う場合、配達証明付内容証明郵便を送ることで、郵便を送ったという記録が残るようにします。
このとき、特定記録郵便も同時に発送し、投函の日時が分かるようにするとさらに効果的です。
もっとも、内容証明を送っても相手方に無視されたり、受け取り拒否をされたりする場合も少なくありません。
このような場合でも債権を回収するためにはどう対処するのが適切なのでしょうか。
この記事では、債権回収において内容証明を無視された場合の適切な対処法について解説していきます。
内容証明の効果とは?
配達証明付内容証明郵便を利用することで、相手に文書を送り相手が受け取ったという証拠が残ることとなります。
これによって、通常の郵便と異なる効果が発生し、債権回収に役立つことになります。
そのような効果としてはまず、文書の内容を裁判の場などで証明できるというものが挙げられます。
内容証明は3通作成され、差出人・受取人・郵便局の手元に渡ります。
そのため差出人・受取人が文書をなくしてしまっても、郵便局が文書を保管しています。
また、内容証明は公的な証拠として認められているため、裁判になった場合に証拠になるのです。
次に、内容証明が相手に対面で配達されることから、内容証明を送った旨主張する際に相手方が受領していないと反論してくることを防ぐことができます。
また、内容証明は差し出しおよび受け取りにかかる日付が残るため、やはり証拠として大きな力を持つことになります。
さらに、弊所にご依頼を頂いた場合には、同日に特定記録郵便の発送も行い、相手方のポストに投函された日時についても追跡が可能です。
これによって、相手方が内容証明を受け取らないが特定記録郵便は届いた場合、そのことが証拠として残り、その後裁判に発展した場合などに役立てることができます。
加えて、内容証明を送ると相手方に大きなプレッシャーを与えることになります。
先述した通り、内容証明は裁判の証拠として役立つため、債権を回収する側が裁判を意識して回収を試みていることが相手に伝わります。
そのため、訴訟に発展するのを防ごうと相手方が話し合いや返済に応じる可能性が高くなります。
加えて、消滅時効の完成により債権が消滅してしまうのも防ぐことができます。
内容証明を無視された場合にはどうなるのか?
では、内容証明を無視された場合は一体どうなるのでしょうか?
まず、配達が行われたのに無視された場合について考えてみましょう。
このようなケースでも、先述の通り配達があった日付および内容は郵便局に記録されています。
そのため、相手方の自発的な弁済が期待できないという以外には特に問題が発生することはありません。
この後紹介するような対処法を行い、債権を回収することが可能です。
次に、受け取り拒否をされた場合です。
受け取り拒否の場合には確かに受取日時が記録されることも、相手方が内容証明の中身を確認したといえることもありません。
もっとも、催告を行った事実は証拠として残るため、裁判の場でこれを役立てることができるでしょう。
さらに、当事務所では、冒頭で触れたとおり特定記録郵便も同日に発送するため、内容証明が受け取り拒否されたが特定記録郵便は届いたということが日時とともに証拠として残ります。
これも裁判の場で証拠として大いに活用できます。
内容証明を無視された場合の適切な対処法
内容証明を無視された場合の対処法としては、以下のようなものが挙げられます。
支払督促
支払督促とは、簡易裁判所への申立てによって、裁判所から相手方に督促を行わせる手続きのことを指します。
その後、2週間以内に相手方が異議を唱えることがなければ仮執行宣言の申立て、仮執行宣言の付与と手続きが進んでいき、最終的には強制執行の申立てが可能になります。
この手続きは自ら裁判所まで向かう必要がないところにその特徴があります。
そのため簡便に債権回収を図ることが可能です。
もっとも、異議を唱えられてしまった場合にはそのまま訴訟になってしまうことに注意が必要です。
少額訴訟
債権が60万円を超えない場合には、少額訴訟という手続きを利用する事が可能です。
少額訴訟は基本的に1回の審理で終了して判決が出るため、通常の訴訟よりも簡便といえます。
また、勝訴することで強制執行が可能になります。
もっとも、異議を唱えられれば通常の訴訟に移る点、審理が1度しかなく証拠をきちんと揃えておく必要がある点には注意しておきましょう。
訴訟
どうしても相手方からの支払いがない場合には、訴訟を行うことになります。
この場合内容証明や特定記録郵便を証拠として使えるほか、途中で相手方と和解をすることも可能です。
勝訴判決が出た場合には強制執行手続きに移行することになります。
強制執行
以上の手続きのうちどれかが無事終了すれば、強制執行により相手方の財産を差し押さえ、債権回収を行うことになります、
和解
これまでに紹介したような方法を取っているうちに、相手方から和解の申し出がある場合もあります。
この場合、内容を書面に残すことになりますが、この時公正証書を利用することで万が一その内容が履行されなかった場合には強制執行を行うことが可能です。
もっとも、この場合には不当な条件の和解に至らないように、弁護士に相談することがおすすめです。
債権回収については法律事務所桃李にご相談ください
内容証明を無視された場合でも、その後の手続きを進めていくことで、多くの場合債権回収は問題なく可能となります。
債権回収において内容証明を無視されて困っている場合には、その後の手続きをスムーズにし、確実な債権回収を実現するために、法律の専門家である弁護士への相談をおすすめします。
また、単に内容証明を送る場合であっても、弁護士からの内容証明であればより相手方にプレッシャーを与えることが可能であり、その後の処理も任せられるため、一度相談してみることをおすすめします。
当事務所にご依頼いただく場合、特定記録郵便との併用により、より戦略的に債権回収を進めることが可能となります。
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