強制執行の効果と手順
貸したお金を返さなかったり、商品を受け取ったにもかかわらず代金を支払わないなど、相手方が債務を履行しない状況というのはそう珍しいことではありません。相手方が話し合いにも応じる気配がないようであれば、訴訟を起こして法廷での争いとなります。
しかし、訴訟で判決を勝ち得たとしても、相手方が債務を履行しないケースもあります。その場合には、国家権力を用いて強制的に判決内容を実現することになります。それが強制執行です。
強制執行は相手方の財産を差し押さえたり、不当にマンションに住み続ける住民を追い出したり、いっこうに処分されないゴミを撤去するなど、さまざまな目的の実現のために利用されます。こういった強制執行の効果は広く認知されていますが、その手順については誤解が多いのではないでしょうか。
訴訟で勝てば同時に強制執行も出来る訳ではありません。訴訟で一応の決着がついた後でも、強制執行を行う場合には別途手続きを踏まなければならないのです。
強制執行を行うためには、まず債務名義を取得しなければなりません。債務名義を大まかに分けると、判決文などの裁判所での手続きを経て得たものと、執行証書などの手続きを経ていないものに区分されます。
訴訟を行った場合は、すでに判決を得ているため、債務名義の取得ができている訳です。よって、あとは強制執行の申立てをし、裁判所から認めて貰うだけで差押えなどに移行することが出来るのです。
強制執行は国家権力を用いて強制的に相手の財産を差押えたり、処分したり出来る制度です。そのため、厳格な手続きを経なければ利用することはできません。制度の趣旨と手続きの内容を充分に理解したうえで、利用を検討しましょう。
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