未公開株の勧誘を行う会社が気を付けること|法令違反・詐欺を避ける方法
未上場会社でも、厳格な法規制の下で限定的に自社株の勧誘を行うことは可能です。株式の取引に関する金融商品取引法などの規制は受けますので、手続き方法など取り組み方には十分注意してください。
法規制を理解しないまま実施すると、知らないうちに法令違反となったり詐欺と疑われたりする危険性があります。トラブルを回避するために会社が気を付けるべきことを解説していますので、ぜひご一読ください。
違法・不適切な勧誘が自社にもたらす問題
未公開株の勧誘の仕方を誤ると、意図して法令に反する行為をしていなくても、さまざまな問題が生じます。
特に刑事罰が適用され得る行為には細心の注意を払う必要があります。たとえば登録をしないまま金融商品取引業に該当する行為をはたらいてしまうと、たとえ法律上のルールを知らなかったとしても罰金刑や拘禁刑に処される危険性があります。
また、民事上のリスクとして投資家から損害賠償請求を受けるおそれもあります。適切な説明を行わず、違法な勧誘行為により損害を生じさせてしまうと、刑事罰としての罰金刑が適用されなかったとしてもそれ以上に金銭の負担を負うことになるかもしれません。
そのようなつもりがなかったとしても、詐欺と疑われるリスクも存在します。現に未公開株の勧誘を誘い文句に詐欺被害は発生しており、政府も注意喚起を行っています。そのような中、詐欺まがいの行為をはたらいてしまうと信用を失ってしまうかもしれません。
信用問題は会社にとってとても重大で、もし刑事罰や損害賠償請求を受けなかったとしても、社会的な信用が失墜してしまうと事業活動の継続に深刻な支障をきたすおそれがあります。
法令違反となる勧誘の方法
以下の行為は金融商品取引法違反など違法と評価される可能性が高いため、避けなければなりません。
避けるべき勧誘方法 | 理由 |
|---|---|
不特定の者への勧誘 | 金融商品取引業の登録が必要。Webサイトでの一般公開や不特定の者へのチラシの配布、広告による公募的な告知などは避ける。SNSを使った宣伝も問題となる。 勧誘は個別のメール送付や限定的なグループでのクローズドな環境内で行うようにする。 |
多数の者への勧誘 | 自社で行う少人数私募では、勧誘できる人数は49名以下に制限されている。実際に株式を取得した人数ではなく、勧誘を行った人数でカウントされることに注意。 勧誘先の氏名・名称を記録しておき勧誘に関わる情報は適切に管理すべき。 |
多額の募集 | 募集額にも上限があるため要注意。一定額以上に達すると有価証券届出書の提出が必要になる。 募集のスケジュールを適切に設計し、金額の管理も行うべき。 |
虚偽の情報提供 | 虚偽の説明や断定的情報の提供は各種法に抵触するおそれがある。場合によっては詐欺罪が成立する危険性もある。 「必ず上場する」「絶対に利益が出る」などの表現は避け、リスクについても十分に説明を行うべき。 |
正しい情報の未開示 | 積極的に嘘の情報を提供するだけでなく、適切な情報を開示しないことも問題となり得る。 会社の財務状況、事業リスク、株式の流動性の低さなどについて説明を行い、理解を促す。 |
しつこい勧誘 | 継続的な勧誘にも要注意。相手方が明確に断りの意思表示をしているにもかかわらず勧誘を続ける行為は違法。 勧誘を受けること自体についても意思を確認しておくべき。 |
専門家との連携が重要
法令遵守を徹底することが重要です。自社で判断して誤った方法をとってしまうことを避けるため、弁護士と連携して未公開株の取り扱い方法を一緒に検討することをおすすめします。
金融商品取引法の要件を満たせているか事前に確認し、勧誘資料や契約書の内容もチェックしてもらいましょう。









