【2024年問題でクレームが多発!】
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運送業で顧客からクレームが来た時の対処法とは

【2024年問題でクレームが多発!】
運送業で顧客からクレームが来た時の対処法とは

20244月から、法改正の影響を受けて時間外労働の上限規制が始まっています。この「2024年問題」によって悩まされている運送業者の方も多いのではないでしょうか。

 

大きな課題の1つが「顧客からのクレームへの対処」です。

 

輸送量の低下、輸送コストの増大、人材不足などに伴い顧客からクレームが来てしまうこともあるでしょう。クレームが多発してしまうとサービスにも悪影響が及ぶため、あらかじめ対処法を考えておいて、できるだけ本業に支障が出ないように備えておくことが大事です。

 

運送業における2024年問題とは

運送業における2024年問題とは、202441日から施行された「働き方改革関連法」によって、トラックドライバーの時間外労働が年間960時間に制限されることにより、物流業界全体に影響が生じる問題のことをいいます。

 

具体的には次のような問題が起こり得ます。

 

  • 物流量の減少
  • 運賃の上昇
  • 企業の経営悪化
  • ドライバー不足の深刻化

 

顧客からクレームが来たときの対処法

2024年問題もあり、例えば「配送が遅延していることに対するクレーム」「運賃が上がったことに対するクレーム」「配送品質に関するクレーム」「サービス縮小に対するクレーム」などの発生が考えられます。

 

運送業者としてはこれらの問題が起こらないようにすることはもちろんですが、起こってしまったクレームにどう対処するのか、という点も考えなくてはなりません。

 

クレーム対応の基本

クレームの内容に関わらず、基本的には次の対応を心掛けましょう。

 

誠実に対応する

顧客の言葉にしっかりと耳を傾け、不満や不安な気持ちを理解しようと努めること。自社に不手際があったのなら、誠意を持って謝罪することも大事。その際、責任転嫁をしてはいけない。

迅速に対応する

クレームを受けたら迅速に状況を把握し、初期対応を行う。関係部署と連携して迅速な問題解決を目指すとともに、必要に応じて顧客に状況を報告し、不安をなくしてあげることも大切。

再発防止に努める

クレームの原因を調査し、根本的な解決策を見つける。 抽象的な改善策ではなく具体的な再発防止策を提示し、実行。効果を検証する。

 

また、クレームが発生したときはその内容を記録しておきましょう。過去のクレーム内容を参照できるようにしておけば、今後の対応や改善にも役立ちます。また、クレーム対応の事案は社内で共有し、組織全体の意識向上、対応力向上につなげましょう。

 

配送遅延に関するクレームへの対処

クレーム内容が「配送遅延」にある場合、速やかに原因を特定し、状況を把握してください。

 

そして顧客に対してその事実を伝えるとともに、到着予定時刻などを伝えましょう。わからないことが多いまま放置されてしまうと顧客の不安も大きくなり、クレームの内容が激化し、状況が悪化する危険性があります。

 

また、当然ですが迷惑をかけてしまったことに対する謝罪も行うべきです。

 

無事配送されてからも、「同じことが起こらないようにするにはどうすべきか」を考え、再発防止策に取り組んでください。遅延を防ぐための工夫としては、「効率的な配送ルートを提案してくれるようなシステムを導入し、配送ルートを最適化すること」などが例として考えられます。まずは、活用できそうなシステムがないか探してみると良いでしょう。

 

運賃に関するクレームへの対処

クレーム内容が「運賃」に関するものであれば、配送遅延ほど緊急を要するものではありませんが、「なぜ値上げしたのかを丁寧に説明すること」が大事といえます。

 

2024年問題は運送業界において広く知られていますが、同業でなければ詳しく理解していないケースも多いです。そこで値上げに至った背景・理由を説明し、値上げせざるを得ない状況を伝えましょう。理解してもらうことができれば、それ以上のクレームには発展しないものと考えられます。

 

ただ、そのときの伝え方には注意が必要です。料金体系の見直しに必要性を感じるような説明ができなければ意味がありませんので、できればデータに基づいた説明ができるようになっておくべきです。そもそも値上げをする際に細かな計算を行っているはずですので、その算式に沿った説明ができれば良いでしょう。

 

また、このような問題を事前に防ぐためには、日常的な顧客とのコミュニケーションが重要といえます。前もって値上げの告知を行い、その際にわかりやすく理由を伝えておくと良いです。

 

品質に関するクレームへの対処

ドライバー不足や労働時間短縮によってサービスの品質が低下してしまい、これに対してクレームが発生することも考えられます。

 

本来保たれるべき品質が維持できていなかったのなら自社の問題ですので謝罪し、その理由等についてきちんと説明を行うべきでしょう。

 

他方で、法改正の影響等を受けて従来の品質を維持できなくなった場合に関しては、その旨を丁寧に説明し、できるだけ理解してもらうように努めましょう。

 

どちらの場合においても、今後の取り組みとしては「従業員教育の実施」、あるいは業務プロセスの見直しが重要になってきます。

 

例えば次のような取り組みが有効といえます。

 

  • 研修を行い、従業員に品質の重要性を再認識させ、品質意識の向上を図る。
  • 顧客対応、品質管理、安全運転等の個別具体的な研修プログラムを実施する。
  • 優秀な従業員に対する表彰制度など、適切な評価制度を導入する。
  • 社内でのコミュニケーションを活発化させ、情報共有や問題解決が効率的できるような環境を作る。

 

理不尽なクレームは弁護士に相談

2024年問題に伴い、運送業界ではさまざまなクレームの発生が予想されます。その中には度を超えた要求や嫌がらせなど、「理不尽なクレーム」も含まれる可能性があります。

 

このような理不尽なクレームにすべて向き合っていくのは大変で、対応にあたる従業員に過度なストレスがかかってしまいます。そのため「理不尽なクレームに困っている」といった場合、あるいは「クレームが増えてしまい困っている」といった場合には弁護士にご相談ください。

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  • 所属団体
    • 大阪弁護士会所属
    • 大阪弁護士会消費者保護委員会委員および裁判員本部委員
    • 刑事弁護委員会委員
    • 大阪大学法曹会幹事
    • 大阪青年会議所
  • 経歴

    大阪大学法学部卒業

    2005年(平成17年)11月 司法試験合格

    2006年(平成18年)4月 司法修習生(60期)

    2007年(平成19年)9月 大阪弁護士会に弁護士登録

    2015年(平成27年)7月 岡本仁志法律事務所開設

    2020年(令和2年)7月 法律事務所桃季開設

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