モンスタークライアントへの対応
■モンスタークライアントとは?
モンスタークライアントとは、デザイン・ウェブ業界でよく問題となる存在であり、会社に対し足元をみて無理難題な要求をしてきたり、こちらの都合を考えずに自己中心的な言動を繰り返すクライアントをいいます。モンスタークライアントの特徴としては、以下のものがあります。
①基本的にメールを見ない・話を聞かない・資料を見ない。
②夜間休日問わず、いつでも連絡がつくと思っている。
③要件や仕様をあとから自由に変更できると思っている。
④相手のスケジュールに厳しく自分のスケジュールには甘い。
⑤納期間際や納期が過ぎた後で怒涛のミスチェックや叱責をする。
⑥契約をしないうちから仕事を依頼してくる。
⑦概算の見積価格がすべてであり、その金額内でなんでもやってくれると思っている。
⑧仕様書やデザイン、アイデアだけかっさらって、他社へお願いする。
⑨知人のクライアントに多い。
このような悪質なモンスタークライアントに対応するためには、早い段階での対策が必要となります。
■モンスタークライアントへの具体的な対応方法
モンスタークライアントと契約を結ばない、仕事にあたって不当な要求をさせないために、以下のような対策が考えられます。
●やりとりをメールと電話の二重確認にし、期日は絶対に伝える
クライアントと電話で確認をした後に、その確認した内容をすぐにメールして証拠を残す、またその逆に、重要なメールを送った後は、すぐに電話をして確認してもらうことが重要です。また、打ち合わせでは必ず議事録をとり、どういう話し合いをしたか承認をもらうようにしましょう。
また、自社側がクライアント作業の締切を必ず設定することで、クライアントが確認作業を後回しにする可能性を低くすることができます。
●要件や仕様は全て書式化して相手に確認させる
具体的には、契約書・見積書には必ずブラウザ仕様などを書いておく等です。そして、書式化したら、先述の電話とメールの二重連絡により、クライアントが確認をして承認した、という事実を記録することが重要です。こうすることで、後からクライアントに文句を言われることを防いだり、要件の追加分に伴う増加金額の請求を安心してすることができます。
●制作スケジュールを作成して関係者各位に展開しておく
スケジュールで揉め事が起こった場合のほとんどは、スケジュールを作成していないことが原因となっています。この際に重要となるのは、クライアント都合によって生じた遅延の分は納期も遅れる、ということ、すなわち責任の所在を明確にしておくことです。こうすることで、クライアントが一方的にモンスタークライアントと化してしまうことを防ぐことができるでしょう。
●契約は交わしてから作業を始める
契約に至らず失注された場合、契約前に作成した製作物の分はただ働きとなってしまいます。極力、契約前に作業をしないようにして受注をすることで、このような損失の発生を防ぐことができるでしょう。
もっとも、契約の締結にあたり、クライアントに対し、どれくらいのクオリティの成果物を提供できるか、会社の品質が確かなものであるかを明示する必要がある場合もあります。そのため、あらかじめ会社全体でどのような方針にするかを決めておいた方が良いでしょう。
●対応できないことは対応できない、とはっきり伝える
クライアントからの要求に、不適切な日時であるにもかかわらず常に迅速に対応していると、クライアントに「何でも対応してくれる」と思わせてしまいます。自社側のミスでなく、優先度も高くない内容であれば、時には「この対応は明日になってしまいます」「この日のこの時間までなら無料対応ですが、お急ぎとなると追加分になります」というように伝えることも重要です。
上記のことにくわえて、自社とクライアントが上下関係でなく、対等な関係であることを両者が明確に意識し、契約を締結する前段階で入念に対策をすることで、モンスタークライアントとの契約・クライアントをモンスター化することを防ぐことができるでしょう。
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