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クレーム対応を社内でマニュアル化しておく必要性とその実践方法

顧客対応は将来の事業活動にも影響し得る重要な業務です。しかし担当者によって対応にばらつきが生じると顧客に不満が生じ、企業の信用失墜につながるおそれもあります。また、対応基準が曖昧だと従業員に負担のしわ寄せがいってしまう危険性もあります。

こうした課題を解決し、質の高い顧客サービスと健全な労働環境を両立させるためには、クレームに対するマニュアルの策定が重要といえます。

 

クレーム対応マニュアルの必要性

顧客からの意見や苦情に対する適切な対応体制の構築は、経営上の重要課題といえます。

 

統一された対応指針がない状況だと担当者の経験や個人の判断に依存した場当たり的な処理となりがちで、結果として顧客満足度の低下や企業イメージの悪化を招く可能性があります。

 

また、対応方針が不明確だと従業員は適切な判断基準を持てず、過度に顧客の要求に応じてしまったり、逆に必要以上に厳格な対応をとってしまったりするリスクがあります。このような状況は、顧客との関係悪化だけでなく従業員の精神的負担の増加にもつながってしまうでしょう。

 

さらに、SNSの普及により顧客の声は瞬時に拡散され、一度の不適切な対応が企業全体の評判に深刻な影響を与えることも珍しくありません。こうした状況を踏まえると、事前にクレーム対応の戦略を練っておくことの重要性はますます高まっているといえるでしょう。

 

マニュアル化で得られるメリットとは

クレーム対応に関するマニュアルを策定するには相応の手間が発生します。しかし対応方法をマニュアル化しておくことで、次のように多くのメリットを事業者は得られます。

 

  • 対応品質を均一にできる・・・どの従業員が対応しても一定水準のサービスを提供できる。
  • 従業員の負担を軽減できる・・・明確な指針があることで自信を持って対応でき、現場でのストレス軽減が期待できる。
  • 教育・研修が効率的に実施できる・・・新入社員や異動をしてきた従業員に対し、体系的で効率的な指導が可能になる。
  • 法的リスクを回避しやすくなる・・・適切な対応手順により、訴訟などの法的トラブルを未然に防ぐことが期待できる。
  • 業務効率が向上する・・・手順が標準化されていることで、処理時間の短縮が期待できる。

 

効果的なマニュアル策定のポイント

実効性の高いクレーム対応マニュアルを策定するため、以下の点を考慮して内容の検討を進めましょう。

 

策定時の重要事項

具体的な内容

経営層の積極的な参加

トップから方針表明を明確に行い、組織全体での取り組み姿勢を示すことが重要。

手順は具体化する

抽象的な表現にとどめることなく、実際の行動規範にまで落とし込んだ指示を記載する。

エスカレーションの基準を定める

問題が深刻化した際、どこへどのように報告を行うのか、引き継ぎのルールを明確に定義する。

シナリオを想定する

過去の事例や業界特性などを踏まえて、実際に起こる可能性が高い事例やリスクの高い事例を考慮して策定する。

継続的に改善する体制を整える

運用結果を踏まえて、定期的に内容を見直してマニュアルを修正・改善していく。

 

また、マニュアルを作成するときは従業員が実際に使いやすい形にしあげることも大事です。複雑すぎる内容、膨大な情報量を提供したところで、そのすべてが実践できるわけではありません。必要な情報を分かりやすく整理し、緊急時でも迅速に参照できる構成を心がけましょう。

 

カスタマーハラスメントにも備える

クレームの手段や程度がエスカレートし、従業員の人格否定から長時間の拘束、執拗な要求の繰り返しなどを含む事案が発生することもあります。こうした行為は正当なクレームと区別し、「カスタマーハラスメント(カスハラ)」と呼んだりもします。

 

カスハラに対しては通常のクレーム対応とは異なるアプローチが必要にですので、カスハラの定義・行為例や判断基準を明確にした上で、具体的な対処法をマニュアルに盛り込むことが重要です。

 

実際にカスタマーハラスメント対策を含む包括的なマニュアルを整備している企業の取り組みを以下の表で紹介します。

 

企業名

主な取り組み内容

特徴的なポイント

株式会社イトーヨーカ堂

全店舗へマニュアルを配布、階層別研修の実施、警察との連携体制構築

現場対応力向上を重視し、マニュアルだけに頼らない育成も並行して実施

A病院

患者相談室の設置、対応方針をHPへ公開、定期的な現場巡回による情報収集

医療業界特有のペイシェントハラスメントに特化した対策を展開

ヤマト運輸株式会社

発言リストによる判断基準の明確化、対応文言集の整備、社内データベースでの共有

コールセンター業務に特化した実践的なマニュアルを作成

出典:あかるい職場応援団「カスタマーハラスメント対策企業事例」

 

これらの事例からは、業界や企業規模に応じたカスタマイズの重要性が読み取れます。また、マニュアル整備だけでなく、従業員教育や組織体制の構築も並行して進めることがより高い効果を得るために重要であることもわかります。

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  • 所属団体
    • 大阪弁護士会所属
    • 大阪弁護士会消費者保護委員会委員および裁判員本部委員
    • 刑事弁護委員会委員
    • 大阪大学法曹会幹事
    • 大阪青年会議所
  • 経歴

    大阪大学法学部卒業

    2005年(平成17年)11月 司法試験合格

    2006年(平成18年)4月 司法修習生(60期)

    2007年(平成19年)9月 大阪弁護士会に弁護士登録

    2015年(平成27年)7月 岡本仁志法律事務所開設

    2020年(令和2年)7月 法律事務所桃季開設

事務所概要

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