不当要求と判断するポイント
不当要求とは一般的に悪質クレームと呼ばれている行為です。一般的に法的根拠や社会的妥当性を欠く要求を指します。
不当要求に対しては、対応をする必要はありませんが、どのラインからが不当要求に該当するのかという判断が非常に難しくなっています。法による基準や行政庁によるガイドラインなどが存在しないため、一般の方からの判断が難しくなっている要因となっています。
そこで弁護士からの観点でどのような行為が不当要求に該当するのかをご説明させていただきます。
基本的には要求内容と要求態様の当・不当により判断することが可能です。
要求態様としては、店員に対して土下座を強要したり、暴力を振るうなどといったものが考えられます。また業務妨害や誹謗中傷・名誉毀損、「店長・上司を出せ」といったような要求も要求態様において不当なものと言えます。
要求内容としては、金額を一方的に自己の判断基準で決定したり、明らかに間に合わない期限を設定して商品の納入などを要求するような行為が考えられます。
上記に挙げられた例は間違いなく不当要求に該当すると言ってしまっても良いでしょう。
土下座の強要は強要罪に該当しますし、店や会社に対する誹謗中傷があれば名誉毀損罪や業務妨害罪にもなり得ます。
不当要求があったときに、相手に威圧されてしまい要求を飲んでしまうということがあります。
実際に不当要求があった場合の対応や対処方法についてもご提案をさせていただきます。
上記で挙げた例はあくまで不当要求と判断する糸口となるものであり、実際に判断するにあたっては、こちら側から毅然として対応をしなければなりません。
まずは、不当要求にあたるのではないかというクレームがあった場合に、相手側に警告をします。警告と言っても「警察に連絡を入れる」というような脅迫めいたものではなく、しっかりとこちら側からNOであるという意思表示をすることです。
例えば十分に対応をしたと判断した場合には、「上司は別の業務で対応ができないので、これ以上は失礼いたします。」などと申し入れます。
ここで相手側がしつこく食い下がってくるような場合には、不当要求と判断してしまって問題はありません。
このタイミングで後日対応するとし、弁護士に相談し内容証明付き郵便にて、企業としての調査結果の報告などを丁寧に記載した上で送付します。
この方法を使用することで、相手から電話がかかってきたとしても、内容証明郵便を送付した旨を説明し、記載内容の結論の変更を求めると言った場合には裁判所での法的手続きに訴えるという手法をとることになります。
内容証明の送付で、大半のクレーマーを撃退できます。
それでも不当要求を継続している場合には、上記の強要罪、名誉毀損罪などの罪で刑事事件として告訴も検討すべきです。
不当要求でのトラブルでお困りの方は、法律事務所桃李までご連絡ください。適切な対処方法や法的手続きについてアドバイスをさせていただきます。