諭旨解雇をする際の適切な手順|退職金の扱いはどうする? / 法律事務所桃李

法律事務所桃李 > 企業法務にお悩みの企業へのサポート > 諭旨解雇をする際の適切な手順|退職金の扱いはどうする?

諭旨解雇をする際の適切な手順|退職金の扱いはどうする?

従業員を解雇する形にはさまざまな形がありますが、そのひとつが「諭旨解雇(ゆしかいこ)」です。

今回は諭旨解雇とはどのような時に適用されるのか、また適用する場合はどのような手順になるのかという点について解説していきましょう。

また、諭旨解雇者に退職金を支払うべきかどうかという点に関しても解説していきます。

 

諭旨解雇とは?

諭旨解雇とは、従業員に理由を諭したうえで、退職届を提出してもらうという解雇処分の方法です。

一般的にはセクハラやパワハラなど、看過できない就業規則違反や、自社の業績に著しいマイナスを与えた場合に適用される処分です。

就業規則に記載される従業員の処分方法としては、「懲戒解雇」に続く重い処分となります。

 

諭旨解雇の手順

諭旨解雇を行う場合には、いくつかの手順があります。

まずは何より、会社の就業規則において、諭旨解雇を行えることが明記されている必要があります。

諭旨解雇に関して明記されているうえで、どのような手順で進めるかを確認していきましょう。

 

証拠を確保する

諭旨解雇とは、対象となる従業員が、就業規則に違反するなど重大な過失を行った時に告げる処分です。

まずは、何より客観的証拠や証言を集め、間違いなく諭旨解雇に該当するという事実認定を行う必要があります。

 

解雇対象者に弁明の場を用意する

しっかりと証拠や証言を集めて上で、諭旨解雇対象者を呼び、諭旨解雇の対象となった事実に対する弁明の機会を設けましょう。

諭旨解雇対象者が、どういう思いでそういった言動をしたのか、どういった理由でその言動に至ったのかを確認したうえで、最終的な判断を下すことになります。

 

解雇日の30日以上前に解雇理由などを明記した通知書を送付する

証拠や証言、そして諭旨解雇対象者の弁明などを考慮し、それでも諭旨解雇の対象であると判断した場合、解雇日の30日以上前に、その旨を解雇対象者に通知します。

通知は書面により行うのが一般的で、客観的な事実や証言、弁明を聞いた結果、どのような決断に至ったかを明確に伝えましょう。

 

諭旨解雇者に退職金は支給しなければいけないのか?

諭旨解雇は、解雇となる趣旨諭し、自主的な退職を促すものですので、原則として退職金の支給対象となります。

とはいえ、全額支給されるというケースは少なく、一般的には退職金の一部支給、もしくは全額不支給となるケースが多いといえます。

退職金を支給するかどうかは、その会社の判断によりますので、諭旨解雇を伝える際に、退職金に関しても合わせて伝えるようにしましょう。

 

まとめ

諭旨解雇は懲戒解雇に続く重い処分であり、形としては自主退職ですが、一般的イには紹介処分として考えられます。

そのため、しっかりと証拠や証言を集め、本人にも弁明の機会を与えた上で、冷静に判断する必要があります。

諭旨解雇に関しては、後に訴訟問題に発展することも少なくないため、弁護士と相談しながら処分を決めるのがおすすめです。

万が一訴訟問題に発展した場合も、事情を知る弁護士がいれば迅速に対応できるでしょう。

当事務所が提供する基礎知識

  • 問題社員への対応

    「職場でトラブルを抱えている社員がいるが、世間の目が厳しいこともあり、どのように対応すれば適切なのか分からない。」問題の...

  • 景品表示法で課徴金措置を...

    事業者は、景品表示法の規定に反する行為をすることにより、課徴金納付の義務を課せられることがあります。この課徴金納付命令が...

  • トラブルにならない電話勧...

    電話勧誘販売は、消費者にとっては、強引な営業トークによって不本意に契約を締結させられたと感じるケースも少なくなく、トラブ...

  • 会社のSNS投稿が炎上!...

    営業活動の一環として SNSを活用することも今や一般的になっています。素早く情報を拡散できるため広く消費者にリーチできま...

  • 訴訟による支払い請求のメ...

    訴訟による債権回収は、債権の内容や事実に争いがある場合に大きな力を発揮します。 通常、何か取引を行う際には契約...

  • 売掛金の回収を弁護士に依...

    ■負担の軽減相手方に支払い能力がない場合や支払う意思がない場合は売掛金の回収に手間がかかります。そのような事態に直面した...

  • 債権回収において内容証明...

    債権回収を行う場合、配達証明付内容証明郵便を送ることで、郵便を送ったという記録が残るようにします。このとき、特定記録郵便...

  • 退職勧奨の進め方|相手が...

    使用者と労働者の間で成立している労働契約を解消するうえでは、労働者の身分を保護するべく、労働契約法・労働基準法において、...

  • 債権回収を弁護士に依頼す...

    債権回収は時間との争いです。状況に適した解決策を素早く展開していかなければ、相手方の企業が倒産したり、財産を隠してしまっ...

  • 過剰要求・不当要求の言い...

    今日の顧客からのクレームには2種類あり、今後の顧客満足度の向上につながるようなプラスのクレームと、過剰な要求や不当な要求...

よく検索されるキーワード

弁護士紹介

岡本弁護士の写真
代表弁護士
岡本 仁志(おかもと まさし)
ご挨拶

解決までのスピードに自信があります。債権回収、消費者被害、訪問販売トラブル、ネットワークビジネストラブル、企業トラブルなどでお困りでしたら、法律事務所桃李までお気軽にご相談ください。


これまでに培った知識・経験を活用して、問題解決に最適な方法をご提案するだけでなく、プラスアルファとしてクライアント様からお話を聞く姿勢、そしてリーガルサービスを提供する姿勢にも心を配っています。


「法律事務所桃李に相談して良かった」とご満足頂ける、そんな安心・信頼の法律サポートを行って参ります。

  • 所属団体
    • 大阪弁護士会所属
    • 大阪弁護士会消費者保護委員会委員および裁判員本部委員
    • 刑事弁護委員会委員
    • 大阪大学法曹会幹事
    • 大阪青年会議所
  • 経歴

    大阪大学法学部卒業

    2005年(平成17年)11月 司法試験合格

    2006年(平成18年)4月 司法修習生(60期)

    2007年(平成19年)9月 大阪弁護士会に弁護士登録

    2015年(平成27年)7月 岡本仁志法律事務所開設

    2020年(令和2年)7月 法律事務所桃季開設

事務所概要

最善のリーガルサービスで理想的な解決を実現します

クライアント様の問題を的確に把握し、理想的な解決を実現するためにどんな方法が有効なのか多角的に検討し、考え得る方法の中から最善のリーガルサービスをご提供します。

ご自身の希望にかなう解決をお求めでしたら、大阪・北区東天満の法律事務所桃季までご相談ください。

信頼の解決力で理想的な解決を目指します。

事務所名 法律事務所桃李
代表者 岡本 仁志(おかもと まさし)
所在地 〒530-0044 大阪市北区東天満1丁目7番17号 東天満ビル7階
アクセス

JR東西線・学研都市線「大阪天満宮駅」より徒歩3分

電話番号/FAX番号 TEL:050-3188-5207 / FAX:06-6314-6905
対応時間 平日 9:00 -17:00 ※事前予約で時間外も対応可能です
定休日 土・日・祝日 ※事前予約で時間外も対応可能です