SNSでの医薬品販売で表記してはいけないこと|目的外の利用に関する注意点とは
医薬品や医薬部外品などをSNSで紹介・販売するにあたって、表記の内容や販売のしかたを誤ると薬機法違反となるリスクがあります。製品が承認を受けた用途や効能の範囲を外れた宣伝は問題になりやすく、表示を行うのが許可を持つ事業者であっても例外ではありません。具体的にどういった表記や販売行為が問題になるのかを整理しておきましょう。
SNSへの投稿も「広告」として規制される
薬機法の広告規制はテレビCMや紙媒体に限らず、SNSの投稿も対象です。次の3要件をすべて満たす投稿は「広告」という扱いになり規制が及ぶとされています。
- 顧客を誘引する(購買意欲を高める)意図が明確であること
- 特定の商品名が明らかにされていること
- 一般人が認知できる状態であること
企業の公式アカウントはもちろん、報酬や商品提供を受けてPRを行うインフルエンサーの投稿も広告にあたり得ます。その内容が薬機法違反である場合、投稿者本人だけでなく依頼した企業側にも責任が及ぶ可能性があることは留意しておきましょう。
販売業許可は前提として必須
「表記さえ気をつければSNSで自由に医薬品を売れる」というわけではありません。
薬機法は、薬局開設者または販売業の許可を持つ者以外が「業として」医薬品を販売・授与することを禁止しています。
ここでいう「業として」とは、営利目的で継続的・反復的に行う意図があることを指し、これに違反した場合は拘禁刑や罰金刑(もしくは両方)が科される可能性があります。
また、処方箋医薬品については処方箋を持たない者への販売・授与も原則禁止です。医師から処方された薬を「余ったから」という理由でSNSに出品したり対価を得る目的で知人に渡したりする行為は、表記の問題とは別に販売規制に抵触するリスクがあります。
目的外や承認された効能効果を超える表現は禁止
薬機法は、医薬品等の効能・効果・性能について、虚偽または誇大な広告を禁止しています。
明示的な表現のみならず、暗示的に承認外の効能をうかがわせる表現も対象となるためご注意ください。
医薬品は製造販売の承認時に効能・効果・用法・用量が定められており、SNSでの宣伝もその範囲に収まっていなくてはなりません。
どのような表現が問題になりやすいかを押さえておくと良いでしょう。
問題ある広告内容 | 表記例 |
|---|---|
特定の疾患向けに承認された医薬品を別の目的で紹介する | 生活習慣病の治療薬として承認された医薬品を「ダイエットに使える」「体重管理に」などと投稿。 承認されていない効能を示す表現として違反になる。 |
美容やアンチエイジングなどの目的を加える | 医薬部外品として特定の整肌効果で承認されている製品に、「しわが消える」「肌が若返る」などと表示する。 |
口コミを通じて承認外の効果を暗示させる | 「〇〇さんはこの薬を飲み始めてから痩せた」といった口コミを引用して、ダイエット効果があるかのように見せる表示。 暗示的な表現で規制対象となり得る。 |
医師などの専門家が推薦しているように見せる | 「医師も注目している」「専門家が高く評価」など、医師等が効能を保証していると誤解されるおそれのある表現。 |
特定の疾病に関する広告制限について
がんや白血病など、政令で定める特殊疾病に関連する医薬品については一般人向けの広告が禁止されています。
医薬関係者向けの情報提供は別として、一般消費者向けのSNS投稿でこれらの疾病名を絡めた医薬品の宣伝を行うことはそれだけで規制に抵触するおそれがあります。
未承認の医薬品に関する広告の禁止
薬機法は、承認(または認証)を受けていない医薬品・医療機器・再生医療等製品について、名称・製造方法・効能・効果・性能に関する広告を全面的に禁止しています。
ここでポイントとなるのは、内容が事実かどうかに関係なく、広告すること自体が違反となる点です。










