B to Cのビジネスを行う場合に気を付けるべきこととは
昨今、 ECサイトの普及や SNSの発展により、一般消費者向けのビジネスに対する参入障壁は大きく下がっています。
その一方では消費者トラブルの発生、カスハラ被害なども発生しており、事業者が注意しないといけないこともたくさん出てきています。
そんな現状を踏まえ、当記事では B to C事業を展開する事業者が特に注意すべきポイントを解説しております。
B to C事業の特徴を理解する
B to C事業では、企業間取引( B to B)とは異なる特有の課題や留意点が存在します。
企業間取引だと専門知識を持つ当事者間での取引となりますが、 B to C事業ではさまざまな知識レベルや判断基準を持つ一般消費者が対象となるためです。
そのため、商品やサービスの提供方法、販売戦略、顧客対応など、多方面から消費者目線での取り組みが必要となるのです。
一般消費者の購買行動について
B to C事業の特徴としてまず理解しておくべきは、一般消費者特有の購買行動です。
企業間取引と異なり、一般消費者の購買判断は必ずしも合理的な判断のみに基づくものではありません。
感情的な要素や、その時々のトレンド、さらには口コミ評価なども大きな影響を与えます。
そのため、商品やサービスの品質向上はもちろんのこと、ブランドイメージの構築や顧客体験の向上にも十分な注意を払う必要があります。
特に初期段階での評判形成は、その後の事業展開に大きな影響を及ぼす可能性があります。
多様化する消費者ニーズについて
現代の消費者ニーズは非常に多様化しています。同じ商品であっても、購入目的や使用シーンは顧客によって大きく異なる可能性があります。
そのため、以下の点に特に注意を払う必要があります。
- 顧客層に応じた商品説明の提供
- きめ細かなカスタマーサポート体制の構築
- 多様な決済手段の用意
- 返品・交換ポリシーの明確化 など
こうして、多種多様なニーズにもできるだけ応えられるようにしておくと良いです。
顧客対応における重要ポイント
B to C事業における顧客対応も重要な要素です。
一人の不満足な顧客の声が、 SNSなどを通じて急速に拡散する可能性がある現代においては、適切な顧客対応体制の構築は必須ともいえます。
また、顧客からの問い合わせやクレームは、製品やサービスの改善につながる貴重な情報源として捉えることができます。
そこで、効果的な顧客対応を実現するための具体的なポイントについて以下で説明していきます。
迅速かつ適切な初期対応
顧客からの問い合わせやクレームに対する初期対応は、その後の関係性を大きく左右します。
特に SNSの利用も一般的になっている現代において、企業の対応に対する評価は即座に拡散する可能性があります。
そのため、以下のような対応体制の整備が求められます。
- 問い合わせの受付から回答までの標準的な対応時間の設定
- 休日・夜間における対応方針の明確化
- 対応履歴の適切な管理 など
できるだけ素早く、そして丁寧に対応できるように備えましょう。
SNSにおける顧客とのコミュニケーション
SNSを活用した顧客とのコミュニケーションでは、統一された対応基準の設定が重要です。
特に以下の点について、明確な基準を設けておくことが大事といえるでしょう。
- 投稿・返信時の基本的な言葉遣い
- 批判的なコメントへの対応方法
- 個人情報に関わる内容への対処法
- 炎上リスクが発生した際の対応手順
トラブルを未然に防ぐ体制づくり
事業規模が拡大すると、さまざまなトラブルが発生するリスクも高まります。そのため、予防的な対応と、事後的に適切な対処ができる体制を整えることが重要です。特に、契約関係や個人情報の取り扱いについては、慎重な対応が求められます。
例えば契約関係に関していうと、「利用規約や契約書の整備」がトラブル予防の基本となります。ほかにも、支払条件や返金に関する方針、キャンセル・返品の条件、保証の範囲や免責事項について明確にしておくことが今後のリスクに大きく関わってきます。
個人情報の取り扱いに関していうと、「個人情報に係る管理責任者の設置」「従業員に対する教育の実施」「セキュリティ対策の導入」「情報漏洩時の対応手順の策定」が大事なポイントといえるでしょう。
消費者法を踏まえた対策
B to C事業を遂行する事業者は、消費者保護に関する各種法律を理解し、適切に対応するようにしましょう。
以下、特に押さえておきたい3つの法律について、事業者が注意すべきポイントを整理します。
消費者契約法について
「消費者契約法」は、消費者と事業者間の情報・交渉力の格差を是正し、消費者の利益を保護することを目的とした法律です。
さまざまなルールが設けられていますが、事業者は特に以下の点に注意してください。
- 不当な勧誘の禁止
- 重要事項について事実と異なることを告げないこと
- 将来の不確実な事項について断定的判断を提供しないこと
- 消費者に不利益な事実を故意に告げないこと
- 不当な契約条項の使用禁止
- 消費者の利益を一方的に害する条項を契約に含めないこと
- 事業者の損害賠償責任を不当に制限する条項を避けること
- 契約内容の明確化
- 契約条件を明確かつ平易な言葉で説明すること
- 重要事項については書面で提供すること
意図的かどうかを問わず、法に抵触する契約内容となってはいけません。
特定商取引法について
「特定商取引法」は、訪問販売や通信販売など特定の取引形態について、トラブルを防止するためのルールを定めています。
B to C事業者、とりわけ EC事業を行っている企業は以下の点に留意しましょう。
- 適切な表示を行う
- 販売価格、送料、支払方法、引渡し時期を明確に表示すること
- 返品・交換の条件を明示すること
- 誇大広告の禁止
- 商品の効能・効果について根拠のない誇大な表現を避けること
- クーリング・オフへの対応
- 法定のクーリング・オフ期間を遵守し、適切に対応すること
特定の勧誘方法、販売方法にのみ適用されるルールもありますのでご注意ください。
景品表示法について
「景品表示法」は、不当な表示や過大な景品類の提供を禁止し、消費者が適切に商品やサービスを選択できる環境を守ることを目的とした法律です。
以下のルールが定められていますので注意してください。
- 優良誤認表示の禁止
- 商品・サービスの品質、効果等について、実際よりも著しく優良であると示す表示を行わないこと
- 根拠のない効果・性能の主張を避けること
- 有利誤認表示の禁止
- 価格や取引条件について、実際よりも有利であると消費者に誤認させる表示を行わないこと
- 比較広告を行う際は、適切かつ公正な比較を行うこと
- インターネット広告での注意点
- ハイパーリンクを使用する場合、重要な情報へのリンクを明確に表示すること
- 情報の更新日を明記し、最新の情報であることを示すこと
- アフィリエイターやインフルエンサーの管理
- 外部の宣伝者による表現にも責任を持ち、適切なガイドラインを設けること
これらの法律を遵守することは、消費者との信頼関係を構築し、事業を安定的に続けるための前提となります。
B to C事業に詳しい専門家も活用しよう
以上の内容は B to C事業を展開するにあたって知っておくべき基本的な注意点です。実際の事業運営においてはより複雑な課題に直面することもあるでしょう。
一般的にいわれている対策を講ずるだけでは不十分で、個別の事情を踏まえた対策が必要となることも出てきます。
そのような事態が発生したとき、あるいはそのような事態を避けるためにも、早期に専門家へ相談しておくことをおすすめします。
特に法的なリスクの予防、対処に関しては弁護士が有効です。