出会い系サイトの利用者に返金請求された!対応すべきケースとは
出会い系サイトやマッチングアプリを運営していると、利用者から「サクラがいた」「出会えなかった」などさまざまな理由で返金を求められることもあります。無茶な要求、正当性のない請求に応じる必要はありませんが、法的に対応すべきケースも存在します。
運営者として知っておきたい返金請求への適切な対応方法について確認しておきましょう。
返金請求に応じる必要があるのはどんなケース?
利用者からの返金請求に対応すべきかどうか、これは法的な返金義務の有無で判断するのが基本です。
法的根拠がない勝手な都合の返金請求に応じる義務はありませんが、一方で次のようなケースでは慎重な対応が求められます。
まず「サービス提供側に契約違反があるケース」が挙げられます。
たとえば利用規約に記載した内容と実際のサービスが異なる場合や、システム障害によってサービスが提供できなかった場合などです。これらは債務不履行として利用者に対する返金義務が生じます。
次に「消費者契約法に基づく取消事由に該当するケース」も挙げられます。
事業者が重要事項について事実と異なる説明をし、利用者が誤認して契約してしまった場合などでは、契約の取り消しと返金の対象となります。
ただ、消費者契約法上の取消権が発生するケースであっても権利には行使できる期間(時効)がありますので、何年も前の話を持ち出されているときは権利の消滅が主張できるかもしれません。
なお、利用規約に「返金には応じない」旨の規定を置いていたとしても安心はできません。「いかなる理由があっても利用規約に書いてあるから返金はしない」などという主張が法的に有効になるわけではなく、とりわけ一般消費者に対するサービスだと消費者契約法に基づいてその規定内容が無効となることもあります。
出会い系サイト特有のリスクにも注意
「サクラを使った勧誘」はトラブルの原因となりやすいため避けるべきです。運営側が雇ったサクラが利用者とメッセージのやり取りをして、ポイント消費を促していた場合、これは詐欺行為として返金請求の対象になります。
そのほか、利用者との返金をめぐる直接的なトラブルではないものの、法的リスクを生じさせないという観点から「インターネット異性紹介事業としての届出義務を履行すること※1」や「18歳未満に利用させないこと※2」も徹底しましょう。
※1届出を怠って事業を営むと行政処分の対象となる。
※2 利用者が18歳以上であることを確認する義務が課される。
返金請求を受けたときの対応フロー
利用者から返金請求を受けたときの対応手順を見ていきましょう。
実際の場面では状況に応じて適切なアクションを起こすことが重要ですが、一般的な流れとしては、まず返金請求の内容をチェックから行います。利用者がどのような理由で返金を求めているのか、具体的な状況を把握する必要があります。この段階で利用履歴やメッセージのやり取り、決済履歴などの証拠を確認しておくことも重要です。
次に、法的な返金義務があるかを判断しましょう。返金対応が必要なケースに該当するかを慎重に検討する必要がありますが、判断が難しいときは弁護士に相談することをおすすめします。
法的な返金義務がないと判断できる場合でも、以下のポイントを考慮して今後の対応を決定しましょう。
- 重要な顧客との関係維持のために返金を検討する
- 風評被害対策として、SNSなどでの悪評拡散を防ぐために和解する
- 長期的な交渉や訴訟にかかる時間とコストを考慮して支払いに応じる
もし返金を断るときはその理由を明確に丁寧に伝えます。メールや内容証明郵便など、必ず記録に残る形で通知しましょう。
返金トラブルに対する予防策
返金トラブルを未然に防ぐことも大切です。
利用規約に返金に関する条項を設け「一度購入したポイントの返金には応じられない」と明記することで一定の抑止力は得られるかもしれませんが、完全にリスクをなくすことはできません。上述のとおり利用規約の内容が無効となることもあるためです。
そのため利用規約への記載については適用シーンを合理的な範囲に限定しつつ具体的な条件なども設けるようにしましょう。
「サービス内容の透明性を確保すること」も大切です。広告やサービス紹介で過度な期待を持たせる表現は使わないようにし、サービス内容の実態に正確に伝えることで「説明と違った」というクレームを減らすことができます。
万が一、大規模な返金請求や訴訟に発展しそうなときは早めに弁護士へご相談ください。専門家のアドバイスを受け、複雑な手続きについて依頼をすることで、適切な対応が可能になります。










