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会社が消費者保護法に準拠すべき理由とは?対応時の注意点についても解説

消費者保護法は、企業と消費者の取引において、相対的に弱い立場にある消費者の権利を守るために設けられた法律体系のことです。企業が消費者保護法を遵守することは、法的義務であることはもちろん、消費者との信頼関係構築など経営上の戦略としても重要なことです。

短期的には一定のコストを伴うかもしれませんが、消費者保護法への取り組みを軽視せずに取り組むべきでしょう。その具体的理由をここで言及します。

 

違反による法的制裁のリスクがあるため

消費者庁や公正取引委員会による監視が強化される中、消費者保護に関する法律(消費者契約法、特定商取引法、景品表示法など)に違反した場合、企業は重大な法的リスクに直面します。

 

これらの法律違反に対する制裁は、大きく①民事、②行政、③刑事の3つの側面から行われます。

 

  • 民事上の制裁
    ・・・特定商取引法違反の場合、消費者は契約の取り消しが可能。商品等に問題がなくても、法律の定める表示に不備があり消費者が誤認した場合は、消費者は注文を取り消すことができる。企業は商品の返品・返金対応に迫られ、売上や利益に直接的な影響が生じる。
  • 行政上の制裁
    ・・・業務改善指示や業務停止命令などの行政処分がある。特に業務停止命令の影響は大きく、事業者は一定期間事業活動を禁止されるため廃業に追い込まれることもある。
  • 刑事上の制裁
    ・・・悪質な違反行為は刑事罰の対象となる。法人が罰金刑を受けることもあれば代表者個人が懲役刑や罰金刑を受ける可能性もある。

 

消費者や競合他社からの通報により違反行為が発覚するケースもありますし、法令遵守が徹底されていない企業は常に摘発のリスクにさらされているといえるでしょう。

 

社会的信用を維持するため

社会的信用は、企業が存続するためには不可欠な要素です。消費者保護法への違反が発覚した場合、行政処分や刑事処分による直接的な罰則以上に「社会的信用の喪失」という間接的な損害が企業にとって致命的となる場合があります。

 

たとえば行政処分や刑事罰を受けると、事業者名や違反内容が監督官庁により公表され、それがメディアを通して広く報道されます。企業の不正行為がSNSを通じて消費者から消費者へと拡散されることもあり、短期間で急速にその情報が広がることとなるでしょう。

 

近年は企業の社会的責任を求める傾向も強まっていますので、消費者保護法違反が発覚することによる企業イメージ悪化の影響も強く、そして長期に及ぶ可能性があります。

 

当然、社会的信用の喪失は消費者離れを招くだけでなく、B2B取引に対しても影響を及ぼします。

 

そして一度失われた社会的信用の回復は用意ではありません。謝罪、再発防止策の表明を行うだけで元通りになるものではなく、長期的な取り組み、根本的な企業体質の改革まで求められることでしょう。

 

企業価値向上のため

消費者保護法の遵守は、リスク回避という消極的な理由だけでなく、企業価値の向上といった積極的な理由からも必要性を説明することができます。

 

消費者の権利と利益を尊重し、適切な情報提供や公正な取引を徹底することで消費者との信頼関係は構築・強化されますし、それが企業の持続的な成長へとつながります。

 

また企業価値は投資家目線だと特に大事な要素であり、消費者保護法に準拠しコンプライアンスを徹底するという姿勢は高い評価を受けることができるでしょう。投資判断に好影響を与え、結果的に企業の資金調達コストや株価にも影響を及ぼします。

 

競争優位性を確立するため

消費者保護法を積極的に遵守することが、市場における競争優位性を確立することにもつながります。具体的には、以下の理由により優位性が生まれると考えられます。

 

  • 透明性の高い取引、適切な情報提供が消費者からの信頼獲得に寄与し、顧客満足度とロイヤルティを高めるため
  • 多くの大企業やグローバル企業は、サプライチェーン全体でのコンプライアンスを重視しており、取引先選定の際にはコンプライアンス体制がチェックされるため
  • 不正な手段で消費者を惹きつけて一時的な利益が得られても、長期的な市場地位を確立するのは難しいため
  • 消費者視点に立ち、消費者保護法に準拠してサービス提供・商品開発に取り組むことが市場変化への適応力を高めるため

 

消費者保護法に対応するときの注意点

これまで消費者保護法について意識を向けてこなかったという企業は、まず「自社の業務に関連する規制を特定する」ことから取り組みましょう。たとえば訪問販売や電話勧誘販売を行っているのなら特定商取引法、広告の利用があるときは景品表示法に留意する必要があります。

 

続いて、「契約書や約款に、不適切な条項が含まれていないかを確認する」ことにも注意してください。不明確な条項や消費者に一方的に不利な内容は無効になる可能性がありますし、相手方に取消権を与えることになるかもしれません。

 

また、経営陣や法務部だけが消費者保護法を理解するのでは不十分ですので、「実際に消費者とのやり取りが発生する従業員・営業担当を中心に、全社的な体制構築に努める」ことも意識しましょう。法令上問題のある勧誘・説明の仕方を理解し、研修等を通じて適切な対応方法を理解してもらうべきです。

 

適用される法令の特定、契約書の見直しなど、各種取り組みには高い専門性が必要になりますので消費者問題に強い弁護士を頼ることも重要です。弁護士がついていれば具体的に何に取り組めばいいのかがわかり、効率的に対策を進められるようになるでしょう。加えて、法改正があった場合にも素早く適応できます。

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  • 所属団体
    • 大阪弁護士会所属
    • 大阪弁護士会消費者保護委員会委員および裁判員本部委員
    • 刑事弁護委員会委員
    • 大阪大学法曹会幹事
    • 大阪青年会議所
  • 経歴

    大阪大学法学部卒業

    2005年(平成17年)11月 司法試験合格

    2006年(平成18年)4月 司法修習生(60期)

    2007年(平成19年)9月 大阪弁護士会に弁護士登録

    2015年(平成27年)7月 岡本仁志法律事務所開設

    2020年(令和2年)7月 法律事務所桃季開設

事務所概要

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