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会社が社員にデート商法をさせると詐欺罪?違法性やペナルティについて解説

消費者向けサービスの運営元が「デート商法」と呼ばれる売り込み方を行うと、違法と評価される可能性が高いです。民事上の不法行為責任や損害賠償責任のほか、場合によっては詐欺罪が成立して刑事罰に科されるおそれもあります。

実行した社員のみならず会社も重い法的責任を負うということを理解し、デート商法と疑われるような行為が発生しないようにしましょう。

 

デート商法にあたる売り込み方

デート商法とは「相手の恋愛感情や好意を悪用して商品やサービスを売りつける手口」です。

 

具体的には、勧誘する側が相手に好意を抱かせるように振る舞い、その感情を逆手にとって「この契約をしてくれないと、今後の関係が続けられない」「買ってくれないともう会えない」などと契約を迫る行為が該当します。

 

好ましくない営業手法と位置づけられるだけでなく、法律上も明確に規制の対象となっているという点は事業者として理解しておかないといけません。

 

詐欺罪成立の可能性

デート商法には詐欺罪が成立することもあります。

 

詐欺罪については刑法で次のように規定されており、拘禁刑(旧懲役刑)も予定されている重い犯罪です。

 

第二百四十六条 人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の拘禁刑に処する。
2 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。

引用:e-Gov法令検索 刑法第246条

 

詐欺罪が成立するのは次の4点が揃った場合です。

 

  • 欺罔行為(相手を騙すために嘘をつくこと)
  • 錯誤(相手がその嘘を信じて騙されること)
  • 処分行為(騙された相手が金銭や財産を渡すこと)
  • 因果関係(嘘によって騙され、その結果として金銭を渡したという流れがあること)

 

「結婚のために新居を買いたいから、この物件を一緒に購入してほしい」などと伝えて契約させたものの、最初から結婚する意思がないケース。ほとんど価値のないアクセサリーに対し「将来必ず値上がりするダイヤモンドだ」と偽って高額で売りつけるケースなどで成立する可能性があります。

 

特商法違反による処分の可能性

デート商法は、詐欺罪の成立だけでなく、その他の法に抵触する可能性も秘めています。

 

たとえば「特定商取引法」違反です。この法律にも拘禁刑などの罰則規定があり、違反すれば刑事罰の対象となります。また、業務停止命令などの行政処分が下されることもあります。

 

同法だと「販売目的を隠して勧誘を行った」という理由で処罰されることが考えられます。
たとえば「食事に行こう」「会いたい」とだけ伝えてデートに誘い、商品を売りつけるのが本当の目的だったのなら、特商法違反としてペナルティ対象になるでしょう。

 

消費者契約法違反による取り消しの可能性

消費者保護を目的とする「消費者契約法」の規定に従い、いったん成立した契約でも、デート商法を用いたことを理由に取り消される可能性があります。

 

具体的には次の3要件を満たすときに契約が取り消されます。

 

①社会生活上の経験が乏しい

消費者側が社会生活上の経験に乏しく、勧誘者に対して恋愛感情その他の好意の感情を抱き、かつ勧誘者も自分に同様の感情を抱いているものと誤信していること。年齢や職歴、社会経験の有無など、さまざまな事情を総合して判断される。

②勧誘者への好意とその誤信を事業者が知り、これに乗じて関係破綻を告げる

事業者側が、消費者が自分に対して恋愛感情を抱き、かつ自分も同様の感情を抱いていると誤信していることを知りながら、これに乗じて「契約しなければ関係が終わる」旨を告げること。

直接的な表現でなくとも契約しなければ関係が破綻するとの趣旨が伝わる発言であれば該当する。

③ ①,②の結果困惑して契約をした

上記のような行為により消費者が困惑し、その結果契約の申込みや承諾をしていること。

 

もし契約が取り消されると、消費者側から支払った代金の返還を求められます。

 

契約無効や損害賠償請求の可能性

デート商法により損害を被った被害者から、損害賠償請求を受ける可能性があります。代金などの直接的な被害だけでなく、精神的な苦痛を理由とする慰謝料の支払い義務まで生じる可能性があります。

 

また、恋愛感情を利用して高額な商品を売りつける行為が「公序良俗に反する」として契約が無効になることも考えられます。

※公序良俗とは、社会の秩序や道徳に反する行為を指し、民法上これに反する契約は無効になると規定されている。

 

ここまでで説明したように、デート商法は詐欺罪に該当し得るだけでなく、その他の法律に抵触する可能性も持っています。実際に行為をはたらいた社員だけでなく、会社に対しても賠償金の支払いや刑罰の適用、営業停止などの処分が下されます。組織的にデート商法を行わないことはもちろん、社員がこうした行為をしないよう管理体制を整えることも大事です。

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  • 所属団体
    • 大阪弁護士会所属
    • 大阪弁護士会消費者保護委員会委員および裁判員本部委員
    • 刑事弁護委員会委員
    • 大阪大学法曹会幹事
    • 大阪青年会議所
  • 経歴

    大阪大学法学部卒業

    2005年(平成17年)11月 司法試験合格

    2006年(平成18年)4月 司法修習生(60期)

    2007年(平成19年)9月 大阪弁護士会に弁護士登録

    2015年(平成27年)7月 岡本仁志法律事務所開設

    2020年(令和2年)7月 法律事務所桃季開設

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