ステルスマーケティング(ステマ)の問題点や予防策
ステルスマーケティング(ステマ)とは、消費者に広告であることを隠して商品などの宣伝を行ったり、口コミサイトに投稿を行ったりするマーケティング手法のことをいい、日本でやらせ、サクラと呼ばれてきたマーケティング手法と同様の意味として理解されています。
ステルスマーケティングに当たるケースとしては、事業者が自社の製品に好意的な評価を口コミサイトに投稿するケースや、芸能人などの影響力のある人に事業者との関係を隠して商品を使ってもらうことで広告を行うケースなどが挙げられます。
ステルスマーケティングの問題点としては、第一に消費者を事業者が騙していることが挙げられます。消費者は使用した他の人の意見を聞くために中立的なはずの口コミサイトを利用します。しかし、その口コミサイトへの投稿が事業者によって行われたものであれば、信頼性のある第三者の意見として事業者の広告を見ることとなり、消費者を騙していることとなります。
また、ステルスマーケティングであることが発覚した場合や、その疑いがかけられたときには、炎上してしまうおそれや、社会的な非難を浴びることになってしまうおそれもあります。
ステルスマーケティングは短期的にはメリットも大きいですが、消費者を騙しているという性格がある以上、発覚した場合には非常にネガティブな印象を持たれてしまうことや、SNSなどで炎上する可能性もあり、長期的にはデメリットの方が大きくなります。
加えてステルスマーケティングも広告手法であるため景品表示法による規制があり、景品表示法違反とされた場合には、法律により懲役刑や最大3億円もの罰金刑を受けることがあるという問題もあります。実際に、事業者自ら口コミサイトに投稿を行った場合、その内容によっては景品表示法上の不当表示に当たると消費者庁はガイドラインで示しています。
事業者としてステルスマーケティングとなることを予防するためには、広告を行う際には、それが広告であることを明示することが重要となります。芸能人などの影響力のある人に商品を使用してもらう際には、その商品が事業者から提供を受けたものであることをブログなどで明記してもらうことにより、ステルスマーケティングとなることを回避することができます。また口コミサイトなどへの投稿を行う際も、投稿者が事業者本人であることを明記することにより、ステルスマーケティングとなることを予防することができます。
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