支払督促手続きを行うには
支払督促手続とは、簡易裁判所に申立てを行い、裁判所書記官から相手方に対して債務を支払うように督促する手続きのことです。裁判所からの督促になるため、相手方に大きなプレッシャーを与えることができます。
支払督促手続は、債務者の住所地の簡易裁判所へ支払督促を申立てるところからスタートします。支払督促の申立てには金額の制限等がありません。通常訴訟の場合は140万円を区切りとして、それ以上であれば地方裁判所、それ以下であれば簡易裁判所と訴えを起こす裁判所に違いが出るのですが、支払督促の場合はそれがありません。いかなる金額であっても簡易裁判所にて手続きを行います。
支払督促の申立てを受けた裁判所の書記官は、申立内容について審査を行いません。形式的な誤りがないかどうかだけをチェックします。形式的な誤りがなければ、そのまま裁判所から相手方に対して支払督促がなされます。
支払督促がなされた後、一定期間が異議申立期間として設けられます。期間内に異議申立を行えば、民事訴訟手続へと移行し、異議申立がなければ仮執行宣言の申立てを行います。仮執行宣言の申立が認められ、こちらにも相手方から異議申立がなされないのであれば、強制執行が可能となります。そして、相手方の財産を強制的に差押えて債権回収を達成します。
支払督促は相手方が債務の存在を認めている場合に効果を発揮します。もし相手方が債務の存在を否定しているようであれば、支払督促の内容そのものについての争いとなるため、訴訟手続へと移行します。この点が支払督促手続の最大のポイントです。よって、支払督促を利用する際は、相手方が異議申立てをした場合には訴訟になるということを充分に理解しておきましょう。
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