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消費者からの返還請求に応じるべき場合・応じなくてもいい場合

消費者から返金や返金を求められることがあります。しかし、すべての要求に応じる必要があるわけではありません。消費者保護法の内容も踏まえて、相手方の言い分に法的根拠があるのかどうかをよく見極める必要があるでしょう。実際のところどのような請求に対して事業者はどう対応なのでしょうか。ここで解説していきます。

 

消費者が返還請求を行う典型例

事業者として知っておきたい、消費者から返還請求を受ける可能性の高い状況についていくつか紹介します。これらのケースを理解しておくことが、トラブルの予防や適切な対応につながるでしょう。

 

商品の不具合や契約違反による返還請求

注文と異なる商品が届いた場合、商品に初期不良や破損があった場合、説明書に記載された仕様を満たしていない不良品である場合、などに返還請求が行われることが想定されます。

 

ほかにも、オンラインショップにて必要な説明を一切行わず、消費者が実際に使用できない状態で商品が届いた場合なども、事業者側の説明義務違反として契約解除の対象となる可能性があります。

 

ただし重要なのは、契約違反があったとしても必ず返金義務が発生するわけではないという点です。消費者から契約解除の意思表示があって初めて返金義務が生じるのであり、良品との交換や修理などを適切に行い返金以外の方法で対応できるケースもあります。

 

クーリングオフによる返還請求

特定の取引形態では、消費者保護の観点から無条件での契約解除が認められています。この「クーリングオフ」が適用される主要な取引としては、訪問販売や電話勧誘販売、そしてエステサロンや学習塾などの特定継続的役務提供などが挙げられます。

 

これらの取引では、契約書面の交付から一定期間内(通常8日間。20日間の場合もある)であれば、消費者は理由を問わず契約を解除し、支払った代金の返還を求めることができます。

 

クーリングオフが適用される期間中に事業者が返金に応じない場合、特定商取引法違反に基づくペナルティの対象となるおそれがありますので注意してください。

 

消費者契約法に基づく取り消しによる返還請求

重要事項について事実と異なる説明をした場合(不実告知)や、将来の不確実な事項について「確実に値上がりする」などの断定的な説明を行った場合などに契約が取り消され、返還請求を受けることがあります。

 

また、消費者にとって過大な負担となる過量販売なども取り消しの対象となります。消費者契約法のルールにも留意して営業活動の方法を適切に行う必要があります。

 

返還請求に応じるべきケースとは

消費者からの返還請求に対しては、その請求に「法的根拠があるか」「契約で特別なルールを定めたか」に着目して、対応の必要性を判断すると良いでしょう。

 

たとえばクーリングオフ期間内での解除、消費者契約法に基づく取り消しなどは、一定の条件や範囲で法律上認められる消費者の権利です。これらの権利行使に対しては、事業者の意向に関わらず返還に応じる法的義務があります。拒否することは、法令違反となり営業停止や訴訟リスクにつながる可能性があるため、避けましょう。

 

当事者間で交わした契約の内容もあらためて確認すべきです。法律上自動的に発生する権利ではなくても、契約書に取り消しやその際の返還について規定があるときは、対応しなくてはなりません。ただし、その契約上の要件を満たしているかどうかについては要チェックです。契約で定めたルールに関して解釈の余地があると双方で意見が分かれることがあります。このような場合は弁護士にも相談してどう対応すべきか確認すると良いでしょう。

 

返還請求に応じなくてもいいケースとは

返還要求に応じる必要がないケースも存在します。

 

たとえば「消費者側の都合による返還請求」です。色やサイズを間違えた、届いた商品がイメージと違っていた、必要なくなった、など勝手な都合で返金等の請求を受けているときはこれに応じるべき法的義務は基本的に発生しません。

 

「使用済み商品の返品に伴う返金要求」に関しても、消費者がすでに商品を使用しており、その使用が適切な範囲を超えていれば要求を断ることができるでしょう。ただし、使用前に限り返品可能という特約を設けている場合でも、商品の性質上、動作確認程度の使用は「使用」にはあたらないと判断される可能性もあるため、特約の文言は慎重に設定する必要があります。

 

また、受注生産品やオーダーメイド商品など、商品の性質上返品に適さないものに関しても、それを事前に明示していることで正当に返品要求を断ることができます。ただし、これらの商品であっても初期不良や事業者の契約違反があった場合には返金に応じなくてはなりません。

 

返還請求への適切な対応

消費者からの請求に法的根拠があると思われるとき、たとえばクーリングオフに基づく請求や消費者契約法に抵触する行為が自社にあったときなどには、速やかに対応しましょう。返金対応が遅いと訴訟リスクが高まり、対外的な信用を損なうことにもなりかねません。

 

一方、根拠のない不当な請求に対しては、理由を説明した上で断ることが可能です。ただし、一方的に「返金不可」と突き放すのではなく、顧客関係の悪化を最小限にとどめられるよう相手方の気持ちに寄り添いながら丁寧に伝えるようにしましょう。

 

こういった返還請求に関するトラブルを予防するには、事前に返品・返金ポリシーを設定しておくことが大切です。そしてその内容を取引に際して消費者へと表示することも欠かせません。曖昧な表現や不十分な表示は後のトラブルの原因となりますので、しっかりと明示する仕組み・体制を整えておくようにしましょう。

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  • 所属団体
    • 大阪弁護士会所属
    • 大阪弁護士会消費者保護委員会委員および裁判員本部委員
    • 刑事弁護委員会委員
    • 大阪大学法曹会幹事
    • 大阪青年会議所
  • 経歴

    大阪大学法学部卒業

    2005年(平成17年)11月 司法試験合格

    2006年(平成18年)4月 司法修習生(60期)

    2007年(平成19年)9月 大阪弁護士会に弁護士登録

    2015年(平成27年)7月 岡本仁志法律事務所開設

    2020年(令和2年)7月 法律事務所桃季開設

事務所概要

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