会社が詐欺で訴えられたときの対処法!してはいけない行動とは
一般消費者向けに広くサービスや商品を提供していると、予想外に、詐欺で訴えられることがあるかもしれません。そんな事態にも慌てず適切な対応ができるように備えておきましょう。基本的な対応のポイント、避けるべき行動を理解しておけば最悪の事態は回避しやすくなります。
「詐欺」として訴えられる典型的なパターン
詐欺罪での刑事告訴や民事訴訟は、必ずしも悪質な意図がなくても起こり得ます。
一般消費者向けビジネスであれば以下のようなケースに注意すべきです。
- 広告やWeb上の表示内容と実際の商品・サービスに大きな乖離がある
・・・消費者は「騙された」と感じ、詐欺と主張してくるおそれがある。たとえば健康食品の効果を過度に謳った表現や、不動産物件の写真加工が実態とかけ離れていたケースなど。 - 取引のルールを小さな文字で記載している
・・・解約条件を小さく表記していたり、自動更新の仕組みを十分説明していなかったりすると、消費者は「意図的に隠された」と受け取る可能性がある。 - 約束したサービスを提供できなかった
・・・サービスや商品の提供前に全額または高額な代金を受け取ったにもかかわらず、約束したサービスが提供できなくなった場合。経営状況の悪化で履行できなくなったとしても、消費者側からは「最初から提供する気がなかったのでは」と疑われるおそれがある。
詐欺罪の成立には「最初から騙すつもりであった」という故意が不可欠ですが、相手方は故意の有無を判断できないため、「詐欺被害を受けた」と主張してくることも十分に考えられます。
訴状を受け取った直後にやってはいけないこと
訴えられた後の初動を誤ると問題が深刻化する危険性が高まります。
まず避けたいのは、感情的になって反論したり攻撃的・高圧的な態度で対応したりすることです。相手方に直接連絡を取って弁明すること自体法的に禁じられてはいませんが、対策を考えず突発的に動いてしまうと取り返しがつかなくなるおそれがあります。
また、社内での証拠隠滅と疑われる行為も避けましょう。関連する書類やメールを削除したり、事実と異なる記録を作成したりすれば、仮に元の主張に正当性があっても信用を失ってしまいます。
初動対応の要点
詐欺を理由に消費者から訴えられたとき、クレームが入ったとき、企業側がどう対応すればいいのかを見ていきます。
状況と資料の整理
訴状や内容証明郵便を受け取ったら、まず冷静に内容を確認しましょう。
「誰が」「どのような事実関係を主張し」「何を求めているのか」を正確に把握することから出発します。同時に、社内で関連する資料を収集します。契約書、メールのやり取り、広告物、顧客対応記録などを整理しましょう。
次に重要なのは、法的な判断を早期に仰ぐことです。詐欺の成立要件は法律上厳格に定められており、勝手な判断で「これは詐欺にならない」と決めつけることにはリスクがあります。
組織的な対応
訴訟対応は一部の担当者だけで抱え込むべき問題ではありません。
経営層も関与のもと、対応責任を明確にし、情報共有のルールを定めましょう。特に注意すべきは社内での情報管理です。従業員が不用意にSNSで言及したり、取引先に不正確な情報を流したりしないようにすべきです。
弁護士の活用
自社の対応に問題がなかったか、本当に詐欺罪が成立し得るのか、問題を収束させるためにこれからどう動くのが最適か、などの悩みは弁護士へご相談ください。
訴えに対して組織的に動くことは大事ですが、組織内だけにとどめて対処する必要はありません。社内で的確な判断を下すのが難しい場合、より法的対応の質を高めてリスクを下げたい場合などには外部の専門家も積極的に活用しましょう。
和解することも検討
訴訟という形になっても、必ずしも判決まで争う必要はありません。むしろ多くのケースでは「和解」を目指すのが現実的な解決策となります。
その際重要なのは、相手方の要望を理解することです。金銭的補償を求めているのか、謝罪や説明を求めているのか、それとも今後の再発防止を約束してほしいのか。請求内容の背後にあるニーズを探り、弁護士とともに対応を考えることで落としどころが見えてきます。
また、同様のクレームがほかにも発生していないか社内調査を行い、構造的な問題があれば早期に改善策を講じることも大切です。このことは、単に今回の訴訟対応というだけでなく、企業としての信頼回復と将来のリスク低減につながるでしょう。










