【消費者トラブル】企業がコンプライアンスを遵守する重要性を確認しよう!
企業活動を長く続けていくためには、コンプライアンスの徹底が欠かせません。良い商品やサービスを提供することも大事ですが、近年は特にコンプライアンスが社会的にも重視されるようになっているからです。
コンプライアンスが企業活動とどのように関係するのか、消費者保護との関係や、コンプライアンスの管理ができていないことによるデメリットなどをここで解説していきます。
企業におけるコンプライアンスとは?
コンプライアンスは「法令遵守」と言い換えられることも多いですが、昨今はコンプライアンスの意味するところが広がりつつあります。
法令への遵守徹底はもちろん、社会規範や企業倫理に反しないこと、株主や会社債権者などのステークホルダーへの要請に沿うことなども求められるようになっています。
消費者保護とコンプライアンス
コンプライアンスの範囲が広がっているとはいえ、やはりもっとも重要なのは法令に従った企業活動です。特に消費者保護法への対応は注視する必要があります。違反があったときに被害者が出るケースがあり、その通報や苦情から企業がペナルティを受けるまでの体制も制度として整備されているからです。
また、刑法などであれば違反行為の自覚を持ちやすいですが、消費者保護法は複雑で、意図せず法令に反してしまうことも少なくありません。
なお消費者保護法は1つの法律ではなく、消費者保護に関わる複数の法律の総称です。「消費者契約法」や「特定商取引法」、「景品表示法」、「割賦販売法」などをまとめて消費者保護法と呼んでいます。多くの法律が企業に規制をかけておりますので、企業の方は多くのルールを把握しないとコンプライアンスが徹底できません。
しかも消費者保護法に関して行政の対応も変化するため、法務担当の方は苦慮することでしょう。
いったん対応したつもりでも、法改正が起こると再びその内容を理解し、企業活動の在り方を見直さないといけません。
コンプライアンスの徹底は企業の社会的信用にかかわる
コンプライアンスが徹底できないことで、行政処分や刑事処分を受ける可能性があります。
しかし、これらペナルティによる直接の影響だけでなく、その違反した事実が世間に知られることによる影響も危惧する必要があります。
特に不祥事に対する世間の目は近年厳しく、ひとたびニュースで報道されたりSNSで拡散されたりすると、消費者からの信用を失ってしまいます。
その状況を見た取引先企業からも、取引の継続を敬遠されるかもしれません。
しかもいったん失われた信用を取り戻すのは簡単ではありません。
その後コンプライアンス体制を強化しても、周囲からの不信感は拭うことはできず、違反のインパクトが大きいほどその影響は長期的に続くでしょう。
コンプライアンスの管理を行わない場合のデメリット
コンプライアンスの管理を行わないことに、企業にとってどのようなデメリットがあるのでしょうか。以下で整理していきます。
知らず知らずのうちに法令に違反してしまう
上述の通り、意図的でなくとも、消費者保護法に関して違反をしてしまうことがあります。
例えば「消費者契約法」では不当な勧誘による契約の取消し、不当な条項の無効などを規定しています。
“不当な勧誘”とは何か、“不当な条項”とは何か、一つひとつ文言の解釈もしていかなければなりません。
景品表示法では、広告での不当表示の禁止、懸賞に関する規制などを定めています。
どのような広告が不当表示にあたるのか、懸賞の実施方法などにも注意していかなければなりません。
これらの法律だけでもその他多数の規制がかけられていますし、消費者契約法や景品表示法以外にも多くの法律があります。
そして当然、企業が注意するのは消費者保護法だけではありません。
会社の組織・運営に関しては会社法が、従業員との関係においては労働基準法や労働契約法など、ほかにも個人情報保護法など多様な法律が企業に絡んできます。
これら法令をよく調べず、感覚的に企業活動をしていると、知らず知らずのうちに違反してしまうことがあります。
そしてその結果、各法令で規定されている罰金に処されたり、営業停止などの行政処分を課されたりすることがあります。
消費者や取引先から直接損害賠償請求をされることもあります。
消費者が行政に通報する可能性がある
一般消費者や同業他社から通報をされることもあります。
全国の公正取引委員会事務総局への通報、オンラインフォームを利用した通報など、手段は様々です。
そのため法令遵守が徹底されていないと、いつ通報をされるかわからない状態で企業活動を続けることになり、事業の安定性を欠いてしまいます。
ある日突然通報をされて、行政から処分を受け、世間からの信用を失うというリスクにさらされ続けることになります。
企業間の取引に支障をきたすおそれがある
コンプライアンスに対して社会の目も厳しくなっています。
こうした社会の目を意識し、各社コンプライアンスの管理ができていない企業との取引を控えるようになっています。
重大な契約を交わす際は相手方企業の状況を調査することもありますが、コンプライアンス管理が不適切な企業だと新たな契約を取ることが難しくなってしまいます。場合によっては、すでに取引のある企業と継続ができなくなるおそれも出てきます。
また、金融機関から融資を断られて事業に必要な資金が調達できなくなるかもしれません。
株式の発行により資金を調達することもできますが、株主もコンプライアンスは重要視しています。SNSによりすぐに企業の問題は知れ渡りますので、評判が悪いと自社に出資してくれる人も集めにくくなってしまうでしょう。
コンプライアンス管理を弁護士に依頼するメリット
コンプライアンス管理が大事とはいえ、これは簡単なことではありません。
自社に法務担当を置いたとしても、それだけで高水準に管理ができるようになるとは限りません。
そこで、弁護士に依頼するという選択肢も視野に入れてみることをおすすめします。
法律のプロである弁護士に管理を依頼することで、最新の法律情報に即した最適なアドバイスが貰えますし、消費者トラブルにも対応をしてもらえます。
最新の法律情報を把握していて適切なアドバイスを貰える
消費者保護法、その他の法令は社会情勢に合わせて改正がなされています。
一つひとつの法令に着目すると、そう頻繁に起こるものではありません。
しかし数多くの法令が企業活動に関連していますので、それら全体に目を向けると、毎年のように法改正がなされていることに気が付きます。
弁護士であれば法改正の情報も把握しておりますし、弁護士がついていれば、企業の方が逐一変更点を把握し、整理していく必要はありません。
自社にとって必要な知識を、要点を絞って弁護士からアドバイスを受けられるようになります。
消費者トラブルに対する対応をしてもらえる
企業が特に注意したいのが消費者トラブルです。
弁護士への相談を通して、消費者保護法に関する具体的な対応方法を知ることができます。また、消費者からのクレーム対応を依頼することも可能です。
直接消費者からのクレームに対応するのは精神的にも負担が大きいですし、間違った対応を取ってしまったときのリスクが大きいです。
この点、弁護士であれば適切な対応をしてくれますし、悪質なクレームも排斥しやすくなります。
そして消費者トラブルの予防だけでなく、紛争が起こってしまった後の対処も、弁護士がいることで迅速かつ効果的に実行することができます。
コンプライアンス管理に悩んだ場合は当事務所へご相談ください
企業にコンプライアンスの徹底が求められる昨今、専門知識を持つ弁護士の存在はとても重要です。
法令遵守の気持ちがあるだけでは対応しきれないことも多く、様々な法令の内容を正しく理解し、絶えず起こる法改正にも追いついていかなければなりません。
「コンプライアンス管理を自社だけで対応するのが難しい」「コンプライアンス管理の水準を高めたい」「法務担当の省力化や専門家がつくことによる安心感が欲しい」といった要望のある方は、ぜひ当事務所へご相談いただければと思います。