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ダイエット広告が景品表示法違反になるケースを解説

広告を出すときは掲載する写真やイラスト、言葉に注意が必要です。景品表示法によって表示の方法は規制されており、特にダイエット効果を謳うときは違法な広告となってしまわないよう配慮しなくてはなりません。

 

当記事ではダイエット広告に関する過去の違反事例を取り上げていますので、消費者へ訴求方法にあたり参考にしていただければと思います。

 

景品表示法が禁止している表示とは

景品表示法では、消費者を騙したり勘違いさせたりするような表示を禁止しています。

 

ここでいう「表示」とは広告などを指しており、例えばパンフレット、ポスター、CM、チラシ、Webサイトなどを使った宣伝を広く含んでいます。

 

どのような媒体であっても、自社のサービスや商品・製品をアピールするなら同法のルールに配慮してその内容を考えなくてはなりません。ダイエット広告に関しても、瘦身効果について本来のものより著しく優れていると思わせるようなアピール(優良誤認表示)をしてしまうと景品表示法違反となり処罰される可能性があります。

 

効果効能には合理的な根拠が必要

仮に本当に優れたダイエット効果が得られるものであっても、その表示に関して“効果効能についての合理的な根拠”が示せないと不当な表示であると評価されてしまいます。

 

根拠なく優良性を示すことを認めてしまうと、本当に良質なサービス・商品でなくても比較的簡単に顧客誘引ができてしまいます。これを野放しにしていると消費者が不利益を受けることがありますし、本当に良いものを提供している事業者との見極めもできなくなってしまいます。こうした問題に対処するため、同法で表示について厳しく取り締まっているのです。

 

そこで宣伝する効果効能については、合理的な根拠として、試験や調査で客観的に実証されていることが求められています。

 

ダイエット効果についての表示に注意

「ダイエット」という言葉は使い勝手が良く、訴求効果も高いです。しかし痩身効果を暗示する言葉であるため健康食品においてこの言葉を安易に使ってはなりません。「ダイエット」という言葉を直接使っていなくても、暗にダイエットを示すような宣伝文句も要注意です。消費者庁から指摘を受け、ペナルティを受ける可能性があります。

 

景品表示法に違反した事例

過去にもさまざまな企業がダイエット広告に関して措置命令を受けています。いくつか景品表示法違反となった事例を見てみましょう。

 

  • Webサイト上で「いつも通りの食事と一緒に飲むだけで、容易に痩身効果が得られるかのような表示」をしていた。
  • Web広告で、お腹周りにメジャーを巻き付けた人物写真と商品写真、これらとともに「ダイエットをしよう」「〇〇で健康的にダイエット」といった表示をしていた。
  • くびれのある人物の写真に加え、「たるみ腹だった〇〇さん」という言葉とともに腹部の肉をつまんだ写真を掲載。さらに「〇ヶ月でマイナス〇〇kg」といった表示をしていた。
  • 「〇ヶ月で〇〇キロ!水素ダイエットを始めてよかった!」などと、ある商品を摂取するだけで運動や食事制限なく容易に痩身効果が表れるかのような表示をしていた。
  • 情報誌や新聞折り込みチラシ、商品カタログ等において、「食べたカロリーや溜まったカロリーがなかったことに」「ダイエット成功者続々!〇〇万人が実感!?」「ほんの一粒で実感できる」などと、ある商品を摂取するだけで著しい痩身効果を得られると思わせる表示をしていた。

 

こういった事案に対して消費者庁が「当該表示に関する合理的な根拠の提示」を求めました。指摘を受けた企業は裏付けとする資料を提出したものの、合理的な根拠とは認められるものではなく措置命令(不当な表示を止めるよう求める、再発防止策の実施、等の命令)を受けています。

 

ダイエット広告を出すときのポイント

ダイエット広告を出すには、「ダイエット」という言葉で抽象的に示すのではなく、具体的な効果効能で表現することが大事です。

 

血糖値の上昇をどれほど抑制するのか、糖質の吸収をどれほど抑えるのか、どのように・どれだけ脂肪の燃焼を助けるのか、合理的な根拠により裏付けされた効果を具体的に示すと良いでしょう。

 

こうすることで直接的な言葉を使わなくても「ダイエット」という言葉を使ったときに近い訴求力を得ることも可能です。実際、最近ではそういった商品が多く販売されるようになっています。

 

景品表示法以外にも注意

ダイエット効果をアピールしたい場合、景品表示法以外にも注意すべき法律がいくつかあります。

 

1つは「薬機法(医薬品医療機器等法)」です。同法では、身体の機能等に影響を及ぼす医薬品であるかのような広告を規制していますので、商品に含まれる成分の作用について記載するときは同法に抵触しないよう表現への配慮が必要です。

 

もう1つは「健康増進法」です。同法に関しては、例えば「ごく短期間で急激な体重減少がみられた」など立証困難な効果の表示が規制されています。適切な運動、食事制限をしながら痩せられる現実的な効果かどうかに着目し、誇大表現とならないように注意しましょう。

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  • 所属団体
    • 大阪弁護士会所属
    • 大阪弁護士会消費者保護委員会委員および裁判員本部委員
    • 刑事弁護委員会委員
    • 大阪大学法曹会幹事
    • 大阪青年会議所
  • 経歴

    大阪大学法学部卒業

    2005年(平成17年)11月 司法試験合格

    2006年(平成18年)4月 司法修習生(60期)

    2007年(平成19年)9月 大阪弁護士会に弁護士登録

    2015年(平成27年)7月 岡本仁志法律事務所開設

    2020年(令和2年)7月 法律事務所桃季開設

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